米軍基地問題と県民感情について、大まかに纏めてみた。
●米軍への反感
沖縄は長年に渡り、米軍関係者による犯罪に苦しめられてきた。特に本土復帰前 (米軍支配下) の沖縄では、傷害、強盗、強姦、放火といった凶悪犯罪が多かったが、犯罪を犯した米軍関係者は罪に問われないか、または犯した罪に比べてごく軽い刑罰が科される事が多かった。この事は復帰運動に繋がった。一方、軍用地のための土地の強制収用の開始は 1953年に遡る。地元住民が先祖代々受け継いできた土地を奪われ、墓参りもできない状態が続いている。しかし、本土復帰を果たしても土地は収用された土地は返還されず、新たな軍用地確保や軍用機の配備等で騒音問題が発生した。そのうえ、米軍関係者による凶悪犯罪は度々起きた。現在の米軍基地反対運動の活発化も、1995年に発生した米軍兵の少女暴行事件がきっかけとなっている (米軍兵 3人が当時 12歳の女子小学生を拉致して集団強姦した)。そのような経緯から、沖縄の人々は、米軍基地が県内で移設されるのではなく、なくなってほしい、と希望する者が一定数いる。
●日本政府への反感
沖縄の人々は、近年まで他県の人々から差別的な扱いを受けてきた。廃藩置県後も、他県の人々にとって沖縄の人々は「未開地の野蛮人」であった。沖縄の人々はその事を忘れていないし、現在でも程度の違いはあれ、沖縄の人々は差別的な目を向けられている。2016年、東村高江のヘリパッド建設現場で、大阪府警の機動隊員が抗議活動中の人に対してフェンス越しに「どこ掴んどるんじゃボケ! 土人が!」と発言したのはよい例。このような事から、沖縄の人々には "日本" に対する一抹の不信感がある。他方日本政府は沖縄振興のために多額の予算を投じてきたが、沖縄の米軍基地問題を解決する事はできなかった。特に米軍基地周辺の住民における安全確保や騒音問題の解決には特に注力しなかった。それらは大いに沖縄県民の反感を買った。
●中国の存在
琉球王朝時代、沖縄は中国王朝に対して朝貢貿易を行っていた。その時代、福建省からの渡来人も多かった。彼等は学者や特殊技能者で、中国王朝との関係において必要不可欠な存在であり、また、琉球王朝の人材育成にも貢献した。彼らは地元に根付き (琉球への帰化を前提とし、福建省での籍を抹消された者もいた)、沖縄の中国人社会の土台となった。彼らの子孫は廃藩置県後も所謂 "地元の名士" であり、現在でも自分達の出自に誇りを持っている。これが、中国が沖縄に対する影響力を発揮しやすい一面でもある。しかし、もっと単純な構図もある。米国も日本政府も信頼に値しない、となれば、近隣で頼れる大国は中国のみだからだ。